本ブログは、GCP(Google Cloud Platform)上にWordPressの仮想インスタンス(サーバ)を立てて運営しています。
この連載では、本ブログを0から構築した時の手順を紹介しています。
GCPでWordPressを構築するにあたっていくつか注意点があるので、GCPって何?という方は本記事を先に読んでくださいね。
さっそく手順を知りたい方は、下記のリンク先からどうぞ。
GCPでWordPressを構築する理由
GCPとは、AmazonのAWSやMicrosoftのAzureと同じく、Googleが提供するパブリッククラウドサービスの総称です。
個人がWordPressでブログを始める場合、サーバはエックスサーバやさくらなどのレンタルサーバを月額1000円前後で借りることがメジャーかと思います。
なぜGCPを利用するのかというと、GCPには「Always Free」という無料枠が用意されていて、その範囲でサーバやストレージを用意すれば、個人のブログ用途レベルだったらドメイン代を除いてほぼ0円で運営できるはず、だからです。(「ほぼ」と言っている理由は後述)
現在のところAlways Freeは永年なので、その範囲であれば期間の縛りなく使い続けられます。
さらに、GCPにユーザ登録すると、1年間使用できる$300(約33,000円)のクレジットがもらえます。(太っ腹)
たとえ料金が発生しても、計$300までなら、1年間は実際の支払いは発生しません。
GCPでWordPressを構築するのに向いている人
ぶっちゃけ、余計な苦労をしたくない人は素直にレンタルサーバを契約した方が楽です。
本来はレンタルサーバの管理会社がやってくれるようなサーバ管理を自分でやらなければならないので、相応の知識と調べる力が必要です。
私の場合、本業がSEということもあり、クラウドとインフラ回りの勉強をかねてやってみよう、というモチベーションがあったので何とか運営できていますが、そうでなければあまりやるメリットは感じないのが正直なところ。
はまりどころもいくつかある気がします。私が今回最もはまったのはSSL関連です。
上記以外の方は、素直にレンタルサーバを契約しましょう。
GCPでブログを運営する場合の注意点
完全に無料とは限らない
GCPを使えば「ほぼ」0円と書きましたが、完全に0円で運営できるわけではない模様。
下の画像は、本ブログにおけるGCPの6月の請求結果です。

1円取られていますね。
「Network Egress via Carrier Peering Network – Americas Based」はおそらくサーバからの下りのネットワーク料金だと思います。
(ちなみに、一番下段の合計が0円ですが、これはGCP登録時にもらえる1年間限定の$300のクレジットで支払っているからです。(「FreeTrial:Credit」の行))
Always Freeの枠で構築していればアクセス数の少ないうちは0円で運営できるかと思っていましたが、そうではないらしい。下りのネットワーク料金だけかかってしまうのかもしれません。
仮にそうだとして、1GBあたりの料金は$0.12なのでよほどアクセス増加しても数十円レベルの支払いと思っています。(CDN挟んでるし)
こんな風に、実際に構築して運営してみるまで料金がわからないのがクラウドの厄介なところ。
上記の料金以外にも、Always Freeの枠を超過したら、当然ながら使用量に応じて料金が発生するのでご注意ください。
1年とちょっとの間、GCPでブログを運用したコストをこちらの記事に掲載しました。
アクセス数に合わせてマシンスペックを上げる必要がある
Always Freeで使用できるマシンは、f1-micro(CPU:0.2、メモリ:0.6GB)という最低限のスペックしかないマシンです。個人のブログレベルだったら問題なく対応できると思いますが、想定外に月間数十万PVの人気ブログになってしまった時は合わせてマシンスペックを上げる必要があります。
簡単にスケールアップ/ダウンができるのがクラウドのいいところでもありますが、場合によってはレンタルサーバより高くついてしまうので注意しましょう。
Googleの気まぐれで料金体系が変わる
Googleは儲からないサービスはバッサリ切り捨てます。
GCP自体がなくなることは無いと思いますが、無料枠がなくなる、または範囲が変更になる可能性は十分あります。
本来料金がかかるところをタダで使わせてもらってるので文句は言えませんが、料金体系の変更には気を付けたいところです。
今回は以上です。
次回は、GCPを使ったシステム構成について説明します。
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